芝浦工業大学 建築工学科 伊藤洋子研究室


【研究内容について】


専門は建築史および都市形成史です。


特に歴史的な大工組織の研究、彼らが残した木割書などによる技術史の解明、歴史的な建造物や町並みの調査研究を行っています。


昨今は歴史的な都市や建築の遺産をいかに再生し、活用するかが問われており、私自身も文化財審議委員をはじめ、自治体や学会に参加しての活動が増えてきました。


また、研究室では三次元CAD の活用による、建造物や町並みの復元( 復原) を可視化することに力を注いできました。


作成したビデオライブラリーも少しずつ充実して来ています。


近代を含む日本建築史を主対象としていますが、東アジアの都市・建築の研究や、国際交流センターでの交換留学制度などを活用した研究を行っていこうと考えています。


さらにCAD に関しては、人間行動や心理についてCADを利用する研究も開始されています。

【紹介したい建築・まち】


日本の歴史的都市のうち、奈良・京都のような古代条坊制都市、また近世以降の城下町もよく知られています。


実は古代と近世の間をつなぐ、中世の都市像がもっともよく分からず、研究課題が多いとされています。例えば武士の町、鎌倉に鎌倉時代の建築は残っていません。


中世の集落史研究の宝庫は、畿内周辺の諸都市ですが、特に滋賀県の菅浦( すがうら) という町は中世の自治集落「惣」のかたちを今にとどめる静かな漁村です。


集落が西と東に分かれ、琵琶湖の北岸に沿って、今でも民家が列になって並んでいます。村の東端と西端には四つ足門という茅葺きの門があり、集落の境界を示しています。集落の利益を守るため、自律した村の運営を計っていました。それを示す「菅浦文書」という史料でよく知られています。琵琶湖に釣りに出るための船宿などありますので、機会があれば一度出かけてみて下さい。




親友、悪友、風変わりな縁による友人をたくさん作って下さい。


若い時の友人は一生の宝物です。


特に同じ建築を目指す友人はこれから長い人生の友となるでしょう。

教員プロフィール


伊藤洋子(渡辺洋子)教授


経歴


東京大学大学院 工学系研究科 建築専門課程 博士課程


職業能力開発総合大学校(1992-2000)


明治大学兼任講師(1991-1994)


本学就任(2000-)


専門分野


建築史、建築技術史、都市集落形成史、設計のCAD利用


芝浦工業大学教授。山梨県、埼玉県などの文化財審議委員を務める。富士山の世界遺産登録の際には、御師文化を象徴する古建築の文化財登録などで活躍。