研究テーマ_1

志手研究室で遂行している研究テーマを以下に紹介します。

プロジェクトマネジメントの国際比較

東南アジアや欧米および日本のプロジェクト運営方式の比較を通じて我が国のプロジェクトマネジメントで補強すべき点や国際的なプロジェクトマネジメントの動向について理解を深めています。日本の状況については、(社)建設プロジェクト運営方式協議会(CPDS)と連携して、建築プロジェクトや建物の価値についてあるべき姿を追求しています。海外の動向については、グローバル建築技術研究センター(GBTRC)と連携して、現場のヒアリングによる実態調査を基本とした現地の情報を整理することで各国のプロジェクトマネジメントやBIMに対する戦略の本質を浮き彫りにしようと努めています。これまでに、アメリカ、イギリス、シンガポール、ベトナム、インドネシアの調査である程度の成果を公表しています。

BIMプロセスの国際比較

BIMを導入した建設プロセスは、各国の建設業における歴史的経緯によってその運用方法が異なります。その一方で英国を中心に国際標準がつくられようとしていることも事実です。東南アジアでBIMに積極的に取り組んでいる国は常に欧米の動向をウォッチしています。このような国際的なBIMの動向の実態を現地調査で把握し、体系的に整理することでBIMの本質をより深く理解しようとしています。これまでに、アメリカ、イギリス、ドイツ、フィンランド、スエーデン、デンマーク、シンガポール、ベトナム、韓国、中国の状況を調査しました。アメリカとイギリスについては、Lean-IPDやDfMAをキーとして文献調査も絡めた研究を遂行しています。また、BIMにおける重要なコンテンツである、Classifycation System、COBie、ISO 19650 seriesなどについても探求しています。

工程計画の改善による生産性向上

建設工事の生産性向上が必要とされ、工業化や標準工期あるいはICTの活用が喧伝される中で、工程計画の改善についてはあまり話題になることがありません。PDCAサイクルを取り上げるまでもなく、現場の生産性を向上するためには、それを達成するための「目標的な計画」の早期立案が肝要です。計画上のムダを省くキーポイントは、作業の並行化と同期化、所謂「多工区同期化」にあります。当研究室では集合住宅の内装工事(新築・リフォーム)、CLT構造を対象とした躯体工事を事例として、現地の作業調査を踏まえた実践的な研究を積み重ねてきました。このような工程計画の改善の知識に立脚した工業化工法(Off-Site Construction)の研究に取り組もうとしています。